私が合氣柔術を指導させていただくようになってから約15年。

その間、色々な方々と出会い、接していく中で学ばされたことがあります。

それは”素地の大切さ”です。

良い土には良い作物が実り、悪い土には良い作物が実らないのと同じです。

土が悪ければ土を改良する、荒れていれば整地する・・・という具合に、自分自身をよりよく見つめ、自分の素地まで変えようと努力を行う人には良いものが根付いていく。

大切なのはまず技を覚えることではなく、己の素地を見つめ、素直に、謙虚な心を持つように努めることではなかろうかと思います。

前回の投稿では小屋造りのことをご紹介させていただきました。

新たに何かを建てるには

①元あったものを壊し、②整地した上で③基礎を固め、④その上に新たに建物を建てる。

この工程は皆さん当然のこととして認識されていることでしょう。

我々の稽古している武術その他、殆どの習い事でも全く同じことがいえると思うのです。

ですが、経験が多ければ多い程、自分に何か自信があればある人程、①~③の行程を軽視しがちで、いきなり④の行程に行こうとされる方が多いような。

素直で謙虚な方はどんな経験をお持ちであっても①の元あったものを壊すとまではいかないにしても、道場内では無いものの様にして新たな気持ちで学ぶことに努められます。

私が思うに素地に目を向けている人は、目の前に何か壁が現れた時にも、それを乗り越えようとする気力みたいなものが自然と養われていくが、軽視している人は乗り越える事ができずに、楽な方、楽な方へと流されていくような・・・。

そんな感じがします。

 

素地をみつめ、素地を整える、そして素地を磨く

私は何より大切なことであると思います。

 

大東流合気柔術 無限道場

道場長 竹内 研二

http://www.mugen-dojo.com/